台中で楽しむ庶民派グルメ

台中は台湾第三の都市。台湾中部における中枢として機能し、個性的なレストランやカフェが多いことでも知られている。しかし、新しい店が話題を集める一方で、地元民に熱く支持されているローカルな食堂や屋台も少なくない。今回は庶民的な店を中心に台中グルメの魅力を紹介してみたい。

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取材・文:片倉真理/写真:片倉佳史

小標台中は台湾グルメの発信基地

台湾は多彩な魅力に満ちているが、特に食べ歩きはどんな旅人をも惹きつけるもの。台湾の人々もまた、日夜、美味しいもの探しを続けている。今回は台湾中部の中枢・台中市のグルメスポットを紹介してみよう。

台中は「美食の町」として知る人ぞ知る存在。台湾の人気飲食チェーンの多くが台中を発祥の地としており、「食の流行は台中から始まる」と言う人もいるほど。台南や台北ほどの知名度はないものの、新しいアイデアを取り入れた創作料理やドリンク、デザートの新メニューは次々と登場している。

例えば、日本でもおなじみのパールミルクティーは台中の「春水堂」が元祖といわれている。その由来については諸説あるものの、30年ほど前に台中四維店の店長だった林秀慧氏が発明したものが始まりとされている。今や国外にも店舗を持ち、台湾を代表するドリンク店となっているのは言うまでもない。この春水堂に限らず、ドリンクスタンドの「清玉好茶」、さらに鍋料理店の「鼎王麻辣鍋」や「無老鍋」、唐揚げ専門店の「継光香香鶏」など、実に多くの人気チェーンが台中で生まれ、台湾各地を席巻している。

台中駅周辺はご当地グルメの宝庫!

台中の飲食文化を特色付けているのは大型のレストランや喫茶店が数多く存在すること。ちょっとした美術館のような雰囲気の店や、テーマパークのようなインテリアにこだわった店などがあり、個性を競っている。

そして、こうした目新しいタイプの店が話題を集める一方で、昔ながらの庶民派グルメも健在だ。台中市は日本統治時代に整備された旧市街と、戦後に開発された新市街とに分けられる。旧市街は在来線の台中駅を中心に放射線状に広がっており、戦前の建築物などを巡る楽しみがある。そして、台中の庶民派グルメを訪ね歩く場合はこちらがメインエリアとなる。

中でも台中における「ご当地グルメの聖地」というべき場所が、台湾大道と三民路の交差点に位置する「第二市場」だ。ここは日本統治時代の1917(大正6)年に「新富市場」として開かれ、六角形の建物を中心に四方に広がっている。現在は約200軒近くの店舗が入っており、生鮮食品や日用品を扱うほか、老舗の屋台料理店がずらりと並び、壮観だ。紅茶スタンドの「老頼茶棧」や、大根もちと糯米腸(もち米ソーセージ)を扱う「王記菜頭粿糯米腸」、汁なし縮れ麺の「三代福州意麺」などが第二市場を代表する名店だ。

次ページには台中を訪れたらぜひ味わいたいおすすめグルメを具体的に挙げたので、これらを参考に食べ歩きを楽しんでみよう。


イチオシ台中グルメ!

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全国的な知名度を誇る老舗のトンソク  
台湾の食通ならば誰もが知っている著名店。ここのトンソク(豚足)は醤油や黒砂糖、米酒などでじっくり煮込んだ後、弾力性を良くするために、一日、冷凍庫で寝かせている。手間暇を掛けて作られたトンソクは想像以上のやわらかさで、煮汁の味もしっかりとしみ込んでいて、滋味豊か。トンソクが苦手という方にも味わってもらいたい逸品。
阿水獅猪脚大王
地址:台中市公園路1號
電話:04-2224-5700
營業時間:11:00~20:30
公休:無休


老若男女に愛される懐かしの揚げ饅頭 
第二市場付近の路地裏にある揚げ饅頭屋。小さな屋台だが、いつ訪れても行列ができている。名物の揚げ饅頭は93歳になる店主がその昔、日本人から作り方を教えてもらったもの。香りを良くするため、生地にはアヒルの卵を使用している。中のあずき餡は日本のものに比べると甘さは控えめ。素朴な風味で、散策のお伴に最適。

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天天饅頭
地址:台中市台湾大道一段336巷口
電話:04-2225-0868
營業時間:9:00~19:00
公休:無休


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優しい味わいの肉つみれスープ
約70年前に第一市場で創業し、30年前に台中駅裏に移転した人気店。看板メニューは肉つみれとシイタケ、タケノコ、揚げた溶き卵などが入ったとろみスープ。肉つみれは豚の後ろ脚の肉を使用し、弾力性たっぷり。カツオ出汁が効いたスープも日本人の口に合う。お腹が空いている時には麺やご飯、ビーフン入りがおすすめ。
傳記正老牌香菇肉
地址:台中市復興路四段79號
電話:04-2227-9569
營業時間:8:30~19:00
公休:火曜


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地元っ子に人気の台湾風おこわ
看板メニューの「米糕(おこわ)」は濁水渓周辺で栽培された良質なもち米を使用。上にはエシャロットや干しエビと炒めた豚肉のそぼろがのっている。現オーナーの母親が嘉義で学んだという味を受け継ぎ、創業以来、変わらぬ味を保っている。台東産のかつお節を用いたというスープも人気。
民生嘉義米糕
地址:台中市建国路51-3號
電話:04-2222-0948
營業時間:5:00~13:30(売り切れ次第終了)
公休:第1・第3火曜


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つるりと滑らかな特製仙草ゼリー  
約45年前に屋台から始まり、現在は台中に四店舗、新竹に二店舗を構える人気店。仙草はハーブを煮出して作ったゼリーで、プルプルとした食感がたまらない。これに芋団子やタピオカなどをトッピングし、上からコーヒーフレッシュをかけていただく。仙草独特のほのかな苦みが加わり、絶妙な味わいとなっている。
瑪露連
地址:台中市台湾大道一段255號
電話:04-2228-8359
營業時間:10:00~21:00(日曜~18:00)
公休:月曜休み


台中では誰もが知る有名かき氷店  
約80年という歴史を持つかき氷店。かつては「辛發亭」という名前で第一市場に店舗を構えていたが、火災に遭い、「幸發亭」に改名。その後、現在の場所へ移転。常連客が愛してやまない「蜜豆冰」はフルーツのほか、緑豆や小豆、芋団子など12種類の具をトッピングしている。店内はレトロでかわいい内装となっている。

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幸發亭蜜豆冰
地址:台中市台湾大道一段137號
電話:04-2229-3257
營業時間:10:00~22:00
公休:無休


飛ぶように売れる1杯20元の紅茶 
第二市場内にある紅茶のドリンクスタンド。ここの紅茶は甘くて濃厚な味わいがウリ。懐かしい味わいを求め、開店と同時に人が押し寄せる人気店だ。甘いのが苦手という方にはすっきりとした甘さの豆乳入り(豆香紅茶)がおすすめ。現在はチェーン展開し、市内に10店舗ある。イケメンスタッフが多いことも人気の秘訣?

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老頼茶棧
地址:第二市場中門
電話:04-2220-0858
營業時間:8:30~18:00
公休:無休


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第二市場内にある必食の自家製意麺 
初代店主が福州人から習ったという意麺(縮れた麺)で、今も手打ち麺にこだわっている。麺の上にのっているのは脂身と赤身を7対3の割合で配合した豚そぼろ。黒胡椒が風味を添え、モヤシのシャキシャキとした食感も加わって、飽きの来ない美味しさとなっている。三種類の魚団子が入ったスープを合わせてオーダーしたい。
三代福州意麺
地址:第二市場中門
電話:04-2220-4335
營業時間:8:00~18:30
公休:無休


アクセス
台北からは台湾高速鉄路(高鐵)の利用が便利。「速達」タイプで所要約50分。運賃は700元。高鐵台中駅からは隣接した台鐵(在来線)の新烏日駅に移動し、區間車(一般電車)で台鐵台中駅へ向かおう。所要約10分。運賃は15元。本稿で紹介した店舗はいずれも台鐡台中駅から徒歩圏内。

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