宇宙人 Cosmos People

2.11月18日「RIGHT-NOW!!宇宙人右腦演唱會」-
キャッチーなメロディーが印象的
台湾のスタイリッシュバンド

抜群のメロディーセンスと演奏力が光るポップバンド「宇宙人」。既存の常識にとらわれない斬新な音楽創りで若い世代を中心に厚い支持を得ています。2015年にリリースされた『一萬小時』では金曲奨の最優秀バンド賞にノミネート。海外アワードでも幾つもの賞を受賞しました。日本では、2014年夏にタイワンダフル、サマーソニックに出演し、同年8月に日本デビューオリジナル・ベストアルバム『コスモロジー』を発売。彼らの実力は台湾を飛び越えて急上昇中。追加公演も出た2017年11月のライブの好評を受け、今年の4月にはTICCで大型ライブを開催(チケットはすでに完売、追加公演は未定)。そこで今回は4月のライブおよび音楽創作についてお話を伺いました。

※台北国際会議センター。3000人収容の台北で比較的大きなイベントスペース。

取材・文:吳柏翰(編集部)/写真提供:相信音樂


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─4月29日にTICC(台北)で開催予定のライブについて教えていただけますか。

方Q「今回のテーマは『我們的探險計畫』(僕らの奇妙な冒険)。バンドが結成してから、これまでの僕たちの軌跡を音楽で語ります。バンドの仲間たちと一緒に冒険するような感じですね。僕たちのストーリーを音楽で皆と分かち合いたいです。ファンの皆さんも、僕たちの仲間として一緒に冒険を続けてほしいという気持ちが込められています」

小玉「前回(2017年11月の「RIGHT NOW!! 宇宙人右腦演唱會」)は新譜の曲を中心にしたライブでした。新曲を生の声でファンの皆さんに披露し、さらにライブを盛り上げるため、ラップシンガーの熊仔にも一緒に歌ってもらいました。今回は、長いストーリーを語るような感じで、僕たち宇宙人の始まりから現在、それからこの先の物語も今回のライブで歌おうと思います。ライブで歌う曲は、僕たちの代表曲のほかカバー曲もあります」

─このライブのために、特にどのような準備をされていますか。

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阿奎「PVの製作や舞台の照明など、半年前からいろいろと準備しています。小さなステージでしたら僕たち三人で力を合わせれば大丈夫ですが、今回みたいに3000人以上集客の場合、スタッフたちとのチームワークは特に重要ですので、何回もリハーサルが必要です。ほかの歌手のライブと一番異なる点は、僕たちがステージでのリハーサルによりたくさんの時間をかけることですね」

─およそ2年ぶりに再びTICCの舞台に戻ってきたことについての心境は?

阿奎「初めてTICCでライブをした時、舞台の高さに驚きました。僕は高所恐怖症なので(笑)。でも今回たぶん克服できると思います」

小玉「同じ場所でも違うパフォーマンスをしたいと思います。再びこのステージに登壇するからこそ、前回とは違った雰囲気を作り出したいです」

方Q「今回は舞台の特徴を利用して、ちょっと特別なパフォーマンスをしてみたいですね」

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─ほかにどのようなパフォーマンスを予定していますか。

小玉「前回TICCのライブでは、大きなヘルメットを舞台にセットしました。それが僕たち宇宙人のイメージにもふさわしいと思ったからですが、今回の『我們的探險計畫』では、バンドの成り立ち、仲間同士の絆、それから先の未来を語る物語ですので、もっと皆に感動的な気持ちを与えたいと思っています」

─近いうちに日本でライブのご予定はありますか。

方Q「台北でのライブを皮切りに、宇宙人史上、最大のライブツアーに入る予定です。台湾各地や香港、もちろん日本にも行く予定です!」

目指すのは「話している」ような音楽
─今後の音楽の方向性は?

方Q「現代は音楽を製作する機器が多様化するにつれて、曲風もどんどん近未来的な音楽になりつつあると思います。例えばDJや音楽クリエーターは、いろいろな機器で音楽を作っていますが、今の機器はさまざまな音を出せるので、たとえ楽器のできない人でも簡単に演奏することが可能です。想像力を中心とした音楽スタイルですね。一つ前のアルバムからこのような要素を取り入れていますが、最近はさらにそういう分野に興味を持っているので、これからの作品はもっと多彩なものになるかもしれません」

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阿奎「僕も方Qと同じ考えですが、もう一つ挑戦したいのは、異なる言語で歌うことです。中国語だけに限らず、例えば日本語や英語など。同じ歌でも違う言語で歌えばまた別の曲になると思います。自分にとっては挑戦でもあります」

小玉「最近は80年代風レトロスタイルの音楽がはやっていますが、自分自身もそういうスタイルが好きです。デジタルシンセサイザーの要素をたくさん取り入れるのが特徴で、これからの作品はこのような要素をどんどん取り入れたいと思います」

─作曲または作詞において特に意識していることは?

阿奎「『右腦』(RIGHT NOW)では、特にメロディーを工夫しました。どこでも誰でも、そのメロディーを聴いたら、僕たち宇宙人の歌だとわかるように力を入れました。覚えやすく、一度聴いたら口ずさめるようなメロディーを作るのがこのアルバムでの一番の目標でした」

小玉「作詞は作曲と同じくらい作るのが難しいですが、普段話す時の感じに近づけることができたらベストだと思います。例えば中国語には高低アクセントが四つありますが、自然に歌うためにアクセントを変えなければならないこともあります。歌詞を覚えやすくするためにはなるべく変えないよう、特に意識しています。ですが毎回そううまくはいかないですね」

─日本語曲『TIME LAPSE』の発音がとてもきれいですね。どうやって学んだのでしょうか。

小玉「僕の場合は、子どものころに日本のアニメ、漫画、ゲームなどで幾つかの単語を覚えました」

阿奎「方Qの日本語が一番上手ですよ」

方Q「僕は大学の時、第二外国語で日本語を履修しましたが、高校時代すでに五十音を覚えていたので、一学期はあまり授業に出なかったんです。その結果、テスト問題が全然わからなくて、不合格となってしまいました(笑)。五十音は最初の一週間で全部教え終わったことを、後になって知りました。その時から日本語をまた一から勉強し直しました」

阿奎「ちゃんと日本語を勉強していないので面目ないです。ずっと前から日本のバンドとも交流したいと思っているのですが、残念ながら言葉が通じないので、これから頑張りたいと思います。日本の皆さんに教えていただけたらうれしいです(笑)」

2.11月18日「RIGHT-NOW!!宇宙人右腦演唱會」-

─台湾ではまもなく旧正月を迎えますが、皆さんはどのように過ごされますか。

小玉「僕は毎年家族と台湾のどこかに旅行に行きます。旅館や民宿に一晩泊まって、皆一緒に年夜菜(お正月料理)を食べます。ちなみに今年は温泉に行く予定です」

方Q「毎年旧正月には親戚と祖母の家で過ごします。各自それぞれ食材を持ち寄って食事会を開くんです。僕の家はよく北京ダックを持っていきます。皮を削ぎ切りにして、それを『潤餅』(薄餅)で巻いて食べるのが一般的。骨が多い部位の肉は唐辛子、バジルなどと炒めて仕上げます。料理の仕方も幾つかあるんですよ」

阿奎「僕の家は結構シンプルです。旧正月は家族と年夜菜を食べて、次に日に拜拜(神様やご先祖様へのお参り)に行きます。もし時間があったら、正月気分を堪能するために、あちこち散歩しますね」

─日本の方にお薦めのお土産はありますか。

方Q「お茶が好きなので、台湾茶をお薦めします。味は日本茶と全然違うと思いますよ。日本で飲んだお茶はだいたい緑茶、煎茶、抹茶などですが、台湾では烏龍茶という部分発酵茶が多く、じっくり熟成させた烏龍紅茶は特に人気です。ほかにもいろいろな台湾茶ブランドがあります。パッケージも上質で、お土産として送るのに最適です」

阿奎「僕は伝統スリッパ『藍白拖』(青白スリッパ)をお薦します。これは台湾のユニークな物で、これを持ち帰ればすぐ台湾のものだとわかります。プライベートでもよく履いていますよ」

小玉「日本もカップラーメンの種類は多いですが、僕の知る限り、たぶん日本で販売されていないカップラーメンがあります。それは『花雕雞麵』です。同ブランドの『麻油雞麵』もお薦めです。どちらにせよ台湾でしか食べられない味です」


Profile

2004年結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在の3人組に。メンバーは、ボーカル兼キーボードの小玉(シャオユー)、ギターの阿奎(アークェ)、ベースの方Q(ファンキュー)。2009年に初のアルバム『宇宙人同名專輯』でメジャーデビュー。その後も『地球漫步』(12)、『一萬小時 (10000 hours)』(15)などをリリース。日本では2014年に日本デビューアルバム『コスモロジー』で一躍注目を浴びた。さらに2016年に初のオール日本語作『TIME LAPSE』(16)をリリース。最新作は『右腦RIGHT NOW』(17)。

(2018年2月号掲載)

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