宋芸樺 ビビアン・ソン

あの時の青春をもう一度 時めく女優が新たなチャレンジへ

昨年、日本でも公開された青春ラブコメディー『我的少女時代』(私の少女時代-OUR TIMES-)でヒロインを演じた宋芸樺(ビビアン・ソン)。大ヒットした前作『等一個人咖啡』(14)を超え、台湾で大ブレークを巻き起こしたこの作品で、人気を不動のものに。

そして注目の最新作『帶我去月球』が、いよいよ翌12月に公開。90年代にヒットした張雨生の名曲「帶我去月球」をモチーフにした同名映画で、ヒロイン李恩佩を演じます。新たにどんな活躍を見せてくれるのか期待が高まる新作を中心に、お話を伺いました。

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─12月1日に公開予定の『帶我去月球』はどんな映画ですか。

「初めて台本を読んだ時、すぐに気に入りました。青春を題材にした作品は、大抵恋愛の話と離れられないですが、実際高校時代に一番悩んでいるのは、この作品のように進路とか未来のことだと思います。この作品の面白さは、最初から結末がわかること。自分の人生がどんな形で終わるかを知っていて、また過去に戻る機会があったら、自分の夢を追うためにもう一度頑張れるかどうかというストーリーです」

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─ヒロインの李恩佩を演じられたそうですが、どのような役柄ですか。

「この作品は青春映画ですが、タイムスリップというSF的な要素も含まれています。私が演じた李恩佩は学校の人気者。やるからには完璧を目指すし、ちょっと強気な女の子でもあります。映画の中で、彼女は小室哲哉さん(という役)が主催したオーディションに応募し、自分の夢を追いかけるために、他のことは一切お構いなしに真っすぐ突き進むという役です」

─役作りのためにどんな工夫をされましたか。

「実は私も昔、李恩佩と同じ歌手になる夢を抱いていたんですよ。先に役者としてデビューすることになるなんて、ちょっと予想外です(笑)。ですから、当時台本を読んだ時、自分とかなり似ていると感じました。ただ性格は少し違うところがあります。昔の私は順応性が高く、世に従う人でした。一方ヒロインは、明確な目標があれば、他のことは一切お構いなしにやり遂げる人です。ですので、役作りのために自分の目標を明確にするようにしました。おかげでだんだん意地っ張りな性格になっちゃいました(笑)。他にもダンスや歌はかなり練習しました。というわけで、この作品で初披露した歌をお楽しみください」

─高校生役を演じられましたが、実際の高校時代はどんな感じでしたか。

「高校時代は軽音楽部所属で、バンドも組んでいました。ですから共演者のメンバーと練習している時は、まるで昔に戻った感じでしたね。何だか懐かしいです。李恩佩と同じように、いろいろなコンクールにも参加しましたし、高校生活を満喫していました。今でも自分のバンドを組んでステージに上がりたいですね。でもこの映画に出演することで、ある意味私の小さな夢はかないました。まずこの作品で私の歌声を皆さんに聞いていただければと思います」

─張雨生の「帶我去月球」をカバーされましたね。90年代にヒットしたこの曲についての思い出は?

「正直に言うと、最初はこの曲をまったく知りませんでした(笑)。『帶我去月球』がリリースされたのはちょうど私の生まれた年でしたから。張雨生の曲はいろいろ聴きましたし、例えば彼の『我的未來不是夢』は特に印象に残っています。でも『帶我去月球』はあまり印象がなくて(笑)。独特なリズムは何回聴いてもやはり新鮮ですが、この曲が主題曲というのは今でも不思議に思います。でも確実に言えることは、彼の歌声は独特な魅力があるということです」

─バンドの練習はどんな感じだったのですか。

「バンドの練習で一番注意するべきなのは、皆の足手まといにならないようにということです(笑)。それは冗談ですが、皆と一緒に練習して笑ったり騒いだりして、次第に仲が深まっていくことこそが醍醐味です。ですから撮影開始前に、すでに練習は始めていました。おかげで皆との関係がさらによくなりました。平均年齢25歳の大人が、まるで学生みたいにはしゃいでいる雰囲気は本当に青春そのものでした」

─九把刀(ギデンズ・コー)さんの小説を基に映画化された『等一個人咖啡』がデビュー作ですが、彼についてはどんな印象をお持ちですか。

「最初に会った時、これまで会った人の中で一番不思議な人だと思いました。またとても独創性のある人です。彼の小説を読んでみたら、とても想像力の豊かな人だとわかります。誰も思いつかないアイデアを生むのはすごいと思います。初めて彼の作品を読んだ人は、『冗談でしょ?』、『なんかバカバカしい』というリアクションがあるかもしれません。でも実はそれが伏線で、読み進めるうちに、だんだんその裏の意味がわかるようになります。例えば『等一個人咖啡』では、『好き』という曖昧な気持ちを明確なものにすることが、とても特別で素晴らしいと思います。一見荒唐無稽のように見えても、背後にはちゃんと深い意味があるんですよ。この間公開された映画『報告老師!怪怪怪怪物!』もそう。予告ではホラー映画のように見えますが、実はイジメを題材とした作品です」

─『報告老師!怪怪怪怪物!』では特別出演されましたが、残酷な登場の仕方でしたね。

「そうですね。私のシーンのインパクトが強すぎるとほかの人にも言われました。今まで演じた役では一度も死んだことがなかったんですよ。しかも今回は登場してたったの5分で死んでしまいました(笑)。実は海外にいる時にこのオファーを受け、当時は何も考えずに承諾しました。現場に来てから、とにかく殺される役だと知ったんです。でもこのような役を演じたのは初めてでしたからとても新鮮で、面白かったです。一番印象に残っているのは、友情出演なのに主演した時より大変だったことです(笑)」

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─ヒット作に立て続けに主演されて、私生活まで注目されるようになってしまったのでは?不自由さは感じますか。

「街を歩いている時に皆に気付かれるようになって、実はうれしいです。私の出演した映画を見たことがあるということですから。演技が認められたことで自信もつきました。でもブレークした後、確かにプライベートでは少しだけ不便を感じるようにもなりました。以前大学生だった時はあまり気にならなかったのですが、ここ2、3年、ちょっと束縛されている感じです。それでも街を歩いたり、自転車に乗ったりして、街を眺めることが好きです。自分の生き方を制限するタイプではありません。今の状態にもだんだん慣れてきて、仕事とプライベートのバランスはなんとか取れるようになりました」

─撮影で日本に行ったと聞きましたが、日本に対しての印象は?

「日本は大好きです。母が昔、JAL(日本航空)でキャビンアテンダントをしていたので、子どものころは、年に2回ほど日本へ遊びに行っていました。一番印象に残っているのはやはりディズニーランドですね。夏休みも冬休みも行きました。日本の人や街が心地良いと感じます。とにかく日本のすべてが好きです。特に日本の食べ物は何度食べても飽きないですね。それに、メイドのコスプレをした人がチラシを配っていた光景がとても新鮮で、そのとろけるような甘い声にも癒やされます。まねしてみたのですが、自分は声が低いので難しくて。さすが日本の女性、女の私まで悩殺されました(笑)」

─最後に読者への一言をお願いします。

「台湾を気に入っていただければうれしいです。12月、そして来年も私が出演する作品があります。また日本の皆さんとお会いしたいです。これからも応援よろしくお願いします」


Profile

1992年生まれ。『等一個人咖啡』(14)に主演しメジャーデビューを果たす。翌年の『我的少女時代(私の少女時代-OUR TIMES-)』(15)では第52回金馬奨最優秀主演女優賞にノミネート。ドラマ『唯一繼承者』(15)のほか、ウェブムービーにも出演。ショートムービーやCMも出演多数。最新作は2017年12月公開予定の映画『帶我去月球』。

(2017年11月号掲載)

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