漚客

擴音器 台湾語は北部、中部、南部と各地方、各家庭によって発音が異なることがあります。ここでは、異なる地方出身の台湾語ネーティブの発音を複数収録しました。

[台湾語] 漚客

    (アウケ)

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[日本語訳] クレーマー、困った客

[例文]  今仔日拄著一个漚客。

(ギン ア ジッ ドゥ ディォ ジッエ アウ ケッ)

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[台湾華語]  今天遇到一個奧客
(ㄐㄧㄣㄊㄧㄢㄩˋㄉㄠˋㄧˊㄍㄜˋㄠˋㄎㄜˋ)。

[日本語訳] 今日、嫌なお客さんに遭った。

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日本語には「お客様は神様」という表現があります。では、台湾華語では何というでしょうか? 直訳したら「客人是神(kè rén shì shén)」となりそうなところですが、台湾華語らしい表現は一般的には「以客為尊、顧客至上(yǐ kè wéi zūn gù kè zhì shàng)」です。日本人なら漢字を見ればなんとなく、いわんとすることがおわかりいただけるかと思います。お客様は神様とはいいながら、特に接客業に従事している方にとっては、クレーマーは困りますよね。台湾華語では、クレーマーを奧客(ào kè)と表現します。
「漚客(アウケ)」はもともと台湾語の「拗蠻人客」を省略した「拗客」に由来する表現だといわれています。「拗蠻」は横暴で無理を言うという意味で、「人客」はお客さんという意味です。「拗客(アウケ)」の発音に同じ発音の漢字を当てて「漚客(アウケ)」「奧客」、「澳客」、「凹客」と表現するようになりました。
のちに、台湾華語発音の奧客(ào kè)という表現は、台湾社会のみならず、中華圏に広まりました。日本ではクレーマーへの対応に店側が頭を抱えて、社会問題となっています。台湾もまったく同じです。
花錢是大爺(huā qián shì dà yé)(お金を使うほうがえらいんだ)と勘違いしている人がいるので、近年、台湾のサービスの向上をいいことに一部の人が奧(・)客(・)化し、それが社会現象となり、「奧客文化」とまで呼ぶようになったぐらいです。

台湾のサービスは日本に匹敵するぐらい質が高いとよくいわれますが、サービス産業が成熟してきたのに対して、「店側を尊重することも大事だ」という認識が足りない一部のお客さんが残念ながら存在しているのだということです。

では、どんな行為を取ったら、台湾では「漚客(アウケ)」と思われてしまうのでしょうか。

万引き、飲酒後の大騒ぎ、ルールを守らない、サービスなどにケチを付ける、暴言を吐く、オマケをたかる、無理に値引きを要求するなど、一般的に店側が迷惑する行為をしたお客さんは台湾では全部「漚客(アウケ)」と呼ばれてしまいます。

日本では、冷やかしや一見さん、ちょっと嫌なお客さん程度で済む場合でも、ひょっとして台湾ではあの人は「漚客(アウケ)」だと思われてしまう可能性もあったりします。つまり嫌なお客さんだということですね。

ちなみに、「漚客(アウケ)」という表現が華語として定着するまで、華語では嫌なお客さんのことを爛客人(làn kè rén)や難搞的客人(nán gǎo de kè rén)などの表現を使っていました。皆さんも台湾でうっかり「漚客(アウケ)」にならないように気を付けましょうね。

(文:趙怡華/2017年7月号掲載)

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