芋仔番薯

台湾語は北部、中部、南部と各地方、各家庭によって発音が異なることがあります。ここでは、異なる地方出身の台湾語ネーティブの発音を複数収録しました。

[台湾語] 芋仔番薯 オアハンジ  擴音器

[日本語訳] 外省人と本省人を父母に持つ人を指す
[例文]  我是芋仔番薯啦。グァ シ オ ア ハン ジ ラ

[台湾華語]  我的父母一個是外省人,一個是本省人。
[日本語訳] 私の父母は外省人と本省人です。

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焼き芋の恋しい季節となりました。寒い季節に焼き立てでアツアツの焼き芋は最高ですね。今日はそんなお芋つながりの話をしたいと思います。

サツマイモの華語は地瓜(dì guā)で、台湾語は番薯(ハンジ)です。上空からみた台湾本島の形は北や南の両端が細くて、真ん中が膨らんでいて、丁度サツマイモに似ていることから、台湾では、台湾を表すモチーフにサツマイモを使ったものを多く見かけます。

また、有名な台湾在来のポータルサイト、yam蕃薯藤(ファンシュートン)も台湾本島の至るところに「藤」(サツマイモのつる)のように情報を張り巡らせるという意味合いを込めてネーミングしたのだと思われます。

ところで、台湾には四つのエスニックグループが存在していることをご存じでしょうか? 通常1945年を区切りに、それ以前に移り住んでいた人々のことを本省人、1945年以降蒋介石と共に台湾にやってきた人々のことを外省人、その他に客家(ハッカ)と“原住民(ユエンジューミン)”の四つに大きく区切ります。

本省人はしばしば自分のことを番薯(ハンジ)と言います。それに対して、由来はわかりませんが、なぜか外省人のことを芋仔(オア/タロイモ)と言います。

1945年から1950年の間、中国大陸から約200万人の軍民が台湾にやってきたといわれています。その当時の台湾の人口は627万人ぐらいだったので、一気に元の住民の3分の1に当たる人口が増えたということはとても大変なことだったと思われます。

後からやってきた外省人のほとんどは、その後、台湾で結婚して子孫を作り、2000年に行われた台湾人口普査(日本の国勢の人口調査に相当)では、全台湾の人口約2300万人のうち、本省人は76.9%、客家は10.9%、外省人は10%、原住民は1.4%の割合になっているということです。

中でも、外省人と本省人の結婚が一番多く、その生まれてきた子ども、つまり通常、外省人二世と言われている人たちに、「外省人+本省人」=「芋仔番薯(オアハンジ)」というアダ名が付くようになりました。但し、使い方によっては少し差別的な意味合いも入っていますので、使用する時は要注意です。

ちなみに、年をとった外省人一世の男性には老芋仔(ラオオア)というアダ名が存在しています。これも少し差別的な意味合いがあるので、言葉の意味だけを知っておくにとどめ、人に対して使ったりするのを控えるようにしたほうが無難かもしれません。

ところが、日本では差別用語を使用するのを控えることが社会通例になっていますが、台湾ではそれを茶化したり、自嘲する時に使うということがあります。今回の表現も台湾社会に普通に存在している表現なので、あえて紹介させていただきました。

(文:趙怡華/2018年2月号掲載)