曾沛慈(ツォン・ペイツー)

ゆっくりでも日々進歩していたい

短髪で明るく爽やかなイメージの曾沛慈は、2007年歌手オーディション番組「超級星光大道」で6位に入賞、上位10人によるコンピレーションアルバム『你們是我的星光』でデビュー。その後10〜20代の若者を中心に人気が高いテレビドラマ“終極”シリーズの『終極三國』で女優デビューも果たす。ロックバンドの東城衛と組んで同作のエンディングも歌い、注目を浴びた。2作目『KO One~終極一班~』からはヒロイン役で出演しさらにブレーク。1stソロアルバム『我是曾沛慈 I’m Pets』を2014年にリリースし、現在、俳優と歌手の二つのフィールドで活躍している。

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―終極一班シリーズの3作目から3年ぶりの4作目に出演していかがでしたか。

「2作目から雷婷を演じていますが、今回は彼女がアクシデントに遭って記憶を失い、性格が全く変わりましたから、まるで新しいキャラクターを演じている感じでした。話好きでやかましく、大ざっぱで誰でも友達になれる活発な性格。とてもかわいらしいと思いますが、あまりにもプライベートの私と違うので、最初は本当にできるのかと自分を信じられなくなることもありましたが、監督といろいろ話し合ったり、撮影チームもいつも楽しい雰囲気でしたので、段々とリラックスして演じることができました。3年ぶりなので、役だけではなく、私自身もその間に成長というか変化がありました。今回は私にとって挑戦で難しい役だけど、とても達成感がありました」

―放送を見ると、撮影現場が楽しかっただろうと想像がつきます。

「そうですね。監督もユーモアがある人なので、本番前のリハーサルで誰のものでもいいアイデアがあれば、台本にないセリフや動き、表情が次々と撮影現場で追加され、みんなでアドリブで盛り上がりました」

―終極一班の背景は高校ですが、ご自身はどんな高校生でしたか。

「部活に夢中な高校生でした。責任感があると思われたのか、私は部活の先輩たちにすごく信頼されて2年生の時に幹部に選ばれました。その信頼に答えるために、やれることは何でもやり通しました。公演用のパフォーマンスや、音楽を編集するなどで放課後は毎日部活に奔走して、家に帰る時間はいつも遅かったです。私の学校には勉強と部活を両立できる変人がたくさんいましたが(笑)、私はそうじゃないので、部活に夢中になった結果、勉強が疎かになってしまいました。その時の私は『部活をやって何が悪いの? とても真剣にやっているのに』と考えていたので、それで何度も親ともめました」

―終極一班のキャラクターはみんな超能力のある「異能力者」ですね。可能なら、どんな超能力がほしいですか。

「瞬間移動の能力がほしいですね。世界中を見て回りたいけど、まだ行ったことがない場所がたくさんあります。例えば、アメリカに行くなら必ず一週間以上の休みが必要ですが、忙しくて今まで一週間を超える休暇を取ったことがないんです。仕事が原因で学生時代の友達と遊びに行けない、結婚式や家族の集まりに参加できないことがしょっちゅうあります。瞬間移動ができれば、時間の節約ができるし、やりたいことがたくさんできますよね」

―良い俳優に必要な条件は何だと思いますか。

「実は昔、演技はとても大変で、歌うより何倍も難しいことだと思っていました。チームワークなので、ストレスと克服するべきものが多いので、良い俳優は本当に尊敬に値しますね。必要な条件は健康で、集中力があり、自分の演じるものを信じられることだと思います。心の中で『これは造り物でしかない』と思うと、良い演技はできないはず。演じるときはストーリーを信じて、中に溶け込むことが重要だと思います」
失いそうになる時、やりたいことがわかる

―第2回の「超級星光大道」をきっかけにデビューされましたが、当初番組が終わった後に「芸能人になりたくない」とレコード会社の誘いを断られたそうですね。なぜですか。

「もともと芸能界志望ではなかったんです。番組には友達と一緒に遊びに行くという軽い気持ちで、損得の打算もありませんでした。でも勝ち進んで、どんどん決勝に近づくと勝負心も出てきて、前回よりいい点数を取らなきゃと思うと、すべてが単純ではなくなり、その半年はストレスがたまりまくりました。番組が終わった時はただ『よし! やっと終わった。ようやく解放されて、普通の生活に戻れるんだ』としか思わなかったんですよ。だから契約の話があった時、迷って、悩んで、結局応じなかったんです。人はたぶん機会を失いそうになる時に本当にやりたいことがわかるのかもしれません。『你們是我的星光』のプロモーションがだんだん減って初めて、自分がどれだけ歌を歌いたかったかようやく気付き、正式に芸能界に入る決心がつきました」

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―でもその後、アルバムの制作より先にドラマに出演されましたね。もし俳優と歌手のどちらか一つしか選べないのならどちらを選びますか。

「どっちも切り捨てることができないです。歌いたいのは初心で、それを成長させる養分になっているのは俳優をやることなので、一つも欠くことができません」

―では、それぞれどんな目標がありますか

「今はほとんどテレビドラマに出演していますが、役者として舞台劇や映画にも挑んでみたいです。自分のいろんな面も発見できますし。そして、ソロアルバムのリリースは1枚だけなので、歌手としてはまだまだ新人。いろいろな可能性がありますが、一歩一歩着実に、自分が後悔のないように進んでいくつもりです。両方の仕事がある時の忙しさを想像すると、本当に瞬間移動の能力や分身がほしいですね(笑)。まとめて言えば、演技も、歌のスキルも、ゆっくりでも止まらずに日々進歩するのが目標です」

Profile
2007年にコンピレーションアルバム『你們是我的星光』でデビュー。14年に1stソロアルバム『我是曾沛慈 I’m Pets』をリリース。「夠愛」、「淚了」、「一個人想著一個人」、「不過失去了一點點」、「我不是你該愛的那個人」などのドラマの挿入歌でも人気を集めた。『終極三國』(09)、『飛行少年』(11)、『終極一班2』(12)、『終極一班3』(13)、『明若曉溪』(15)などのドラマでも主演。最新作は『終極一班4』、日本のショートムービー『その一言がいえなくて』。

取材・文:張引真(編集部)/撮影:彭世杰/写真提供:福茂唱片

(2016年8月号掲載)

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