●太子賓館…和洋折衷の美しさ残す 訪問客、後絶たず

観光名所、九フン(※フン=人偏に分)に近い新北市瑞芳区金瓜石黄金博物館内にたたずむ日本家屋「太子賓館」。日本統治時代にくぎを全く使わず建てられた優雅な建物は多くの人々を魅了し、現在でも訪問する観光客や専門家などが後を絶たない。

「太子」と名付けられているが、建設の目的と用途について謎が多いと話すのは黄金博物館の関係者。一説によると、大正時代に鉱業を営んでいた田中長兵衛が、当時皇太子だった昭和天皇の台湾行啓に合わせて1922(大正11)年に建てたものの、行啓で実際に利用されることはなかったとされる。

ただ、その後に皇室の関係者が数度利用した記録が残っており、その光景を「皇太子が来た」と勘違いした声が広まったらしい。「太子賓館」と呼ばれるようになったゆえんだ。

敷地面積は360坪。建築面積は141.5坪。建物の前には日本庭園が広がり、裏庭にはゴルフ練習場や弓道場がある。日本家屋といえども、西洋的なデザインも随所に見てとれる。黄金博物館では、当時の豪邸や旅館、迎賓館などの要素を併せ持ち、在りし日の金瓜石の繁栄を今に残しているという。

戦後は台湾金銅礦務局に接収され、国民党の高官などが別荘として利用した。台湾電力に引き渡された後の1995年には大規模な修復作業が行われ、2007年には台北県(現・新北市)の古跡に指定された。

現在、一般開放されているのは庭園部分だけだが、タイムスリップしたかのような光景に、カップルが頻繁に結婚写真を撮影しに来るほか、コマーシャルなどのロケ地としても使われ、たくさんの人に親しまれている。(中央社フォーカス台湾)

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