柯佳嬿 アリス・クー  最優秀主演女優賞受賞で ますます注目度アップ

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楚な容姿で静かなイメージ、芯の強さを感じさせる瞳が印象的な柯佳嬿。映画『艋舺』(モンガに散る)、『雞排英雄』の出演で頭角を現し、ドラマ『小資女孩向前衝』(進め!キラメキ女子)で明るくポジティブな沈杏仁、『必娶女人』(結婚なんてお断り!?)では仕事も恋愛もどんどん攻める強気な蔡環真、映画『五星級魚干女』では天真爛漫な方如など個性的な鮮明な役柄を数多くこなす。2016年は『必娶女人』で台湾テレビアワード金鐘獎のテレビドラマ最優秀主演女優賞を受賞した。今回のインタビューでは『必娶女人』の撮影現場、役作りから自身の恋愛観、映画最新作までを伺った。


―あらためて金鐘獎受賞おめでとうございます。

「ありがとうございます。あの夜は宝くじの結果を待つような気持ちでした。平常心でいるつもりでしたが、ノミネートされた以上、賞を持ち帰りたい気持ちももちろんあります。結果が出たときはまさに宝くじが当たったようで、びっくりしましたね」

―以前のイメージと違う役で受賞したことは特別ですね。

「そうですね。蔡環真(ツァイ・ホァンジェン)は私の記憶に強く刻まれたキャラクターです。自分とは正反対で何もかもが違うので、相当手ごわい役でした。彼女は仕事に対しても恋愛に対しても積極的で美意識が高く、とても女らしさがあって自信にあふれる女性ですが、私はそうではないんです。二人の弟と一緒に育ったからか、女性らしいフェミニンな一面があまりなく、恋愛に対しても縁に任せる主義です。ですから役作りにいろいろ工夫しました。内面からの女らしさと自信は長い時間をかけて磨く必要があるので、外見から補うしかないと思い、爪を伸ばしてネイルアートをしたり、彼女のイメージの甘い香りの香水を買って使ったりしました。人生で初めて口紅も買ったんですよ。プライベートではリップグロスすら塗らなくて、リップクリームしか使いませんでしたから」%e3%80%87ckl_8442

―この役に大きく影響されたということですね。

「ええ。マニキュアは今も塗るようになりました。恋愛に対する姿勢は変わりませんが、女性が少し計算を働かせて、お互いの感情を維持することも悪いことではないと思うようになりました」

―撮影もいろいろ大変だったでしょう。

「ええ。正直楽なシーンは一つもなかったです。監督とは前に一緒に仕事したことがあるので、私がこの役とどれだけ性格が違うのかをよく知っていて、特に注意されることも多かったです。内容はラブコメディーですが、撮影現場の雰囲気はかなり重くてガチガチでした。撮影の期間中、私はずっと彼女を追いかけていた気がします。時々彼女に近づいたかと思えば、また遠くに感じたり、どのシーンも歯を食いしばって演じてきました。クランクアップした時、『本当に努力したけど、結局彼女に追い付くことはできなかったと思う』と泣きながら監督に言いました。あ~今考えるとまた泣きそうです」

―邱澤(ロイ・チウ)さんとも2度目の共演でしたね。

「そうですね。本番前、セリフを言うテンポを細部まで話し合ったりしたので、息が合う芝居ができたと思います。このドラマはキスシーンが多いのですが(笑)、ロイはプロですし、昔から信頼関係を築いていたので心強いし安心でした。でも韓国でのクランクアップの後、台湾に帰る前の空港で彼と少し話をしたら、実はお互いプライベートの顔をほとんど知らないことに気付きました。以前はずっと役のままでの交流でしたから、本当の意味での会話はそれが初めてだったかもしれません」

―『必娶女人』はやはりターニングポイントといえる作品でしょうか。

「皆さんから見ればそうでしょうね。実際、この作品は私を大きく変えたのも事実です。でも今まで演じてきた作品も少しずつ私を変えているので、すべての作品が私にとって小さなターニングポイントです」

―ではほかに印象に残った作品はありますか。

「映画の『五星級魚干女』は好きな作品です。とても楽しい撮影現場で、演じるというより、どうやったら面白いか遊んでみながら一緒に作品を仕上げる感じで、アドリブもたくさんあってとても面白かったです。ある時、役者じゃなく、監督が声を出して笑ってしまいNGになったこともありました。でもハイテンションを維持しながら笑いすぎるとエネルギーの消耗も激しいですね。この作品の役・芳如は蔡環真とは全然違う役柄ですが、どちらも本当の自分とはかなり違うので、なぜ選ばれたのか不思議です」

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柯佳嬿(アリス・クー)

―実際の自分とギャップがある役とは反対に、自分に似てやりやすいと思う役柄はありますか。

「たとえありのままの自分をカメラの前で演じるのも簡単なことではないと思います。どんな役柄でも、役者は観客が見えないところで何かしら工夫をしているはず。少なくとも私は今までやりやすいと思った役柄はないです。まだそこまで達していませんね」

―役者として一番影響を受けた人は誰ですか。

「初めて出演した長編映画『一年之初』の鄭有傑(チェン・ヨージエ)監督から受けた影響は大きいですね。私を役者の世界に連れてきて、芝居の種をまいてくれた先生といえる人ですから、本当に感謝しています。芝居の魅力、芝居とは何かなど、監督からいろいろ学びました」

―具体的に芝居はあなたにとってどんなものですか。

「心を癒やし、自分を探す過程だと思っています。毎回役作りをして演じることで、自分の内面も掘り下げますから、もっと自分を知ることができ、傍観者の立場から客観的な目で本当の自分を見つめることができます。そしていろいろなシーンを演じて自分の中の不安や迷いを吹っ切り、役と一緒に成長できたこともありますね」

―今年の3月上映予定の最新作『目撃者』についてお聞かせください。

「私が演じるのはある交通事故の唯一の生還者です。9年後にこの事故を調査している人が現れますが、私はある秘密を隠しているために、その人たちをずっと避けている―というサスペンス映画です。実は13歳の時に日本映画『リング』を見てからというもの、怖くてホラー、スリラー、サスペンスの映画は全然見ていないんです。ですからこの作品も自分の恐怖をまず克服するなどかなり挑戦が必要な役でした」

―台湾では同性婚合法化の審議が始まり、巷での議論も活発になっていますが、ご自身ではどう思われますか。

「支持します。男女かかわらず同性愛者の友人が多いので、自然にそう考えるようになりました。13歳の時に出会ってから今までずっと仲の良い親友も同性愛者ですが、たくさんのことを分かち合ってきました。もし周りにそういう人がいなかったら、彼らに対して間違った認識が生じるかもしれませんが、性的嗜好以外、一般人と一切違いはありません。愛は平等なので、友人たちがいつか台湾で結婚できればいいなと思います」

(2017年1月号掲載)


Profile

2005年にスカウトされ、周杰倫のMV「楓」に出演、翌年映画『一年之初』(06年)で女優デビューを果たす。ドラマ出演作は『小資女孩向前衝』(11年)、『飛越龍門客棧』(13年)、『勇敢說出我愛你』(14年)、『愛情的盡頭』(15年)、『星座愛情獅子女』(15年)、『必娶女人』(15年)、『紫色大稻埕』(16年)など。2016年『必娶女人』で金鐘獎のテレビドラマ最優秀主演女優賞受賞。映画作品は『渺渺』(08年)、『艋舺』(10年)、『雞排英雄』(11年)、『熊熊愛上你』(12年)、『超級夥伴』(14年)、『風中家族』(15年)、『五星級魚干女』(16年)など多数。最新作は2017年上映予定の映画『目擊者』。


取材・文:編集部/衣装協力:Athena Chuang/
取材協力:三川食事屋 住所:台北市大安區延吉街157-1號 電話:+886-2-2741-2966

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