知って得する! ひとこと台湾語

文:趙怡華

國語と呼ばれるオフィシャル言語(いわゆる中国語)のほか、台湾人の言語環境には出自や地域によって多くのローカル言語が存在します。そんな中、客家(はっか)語、原住民族の諸言語を押さえ、圧倒的に使用する人数が多いのが「台湾語」。台湾人の会話では、たとえ中国語(台湾華語※)を話していても台湾語の単語がそのまま混在していたり、影響を受けていたりする語も少なくありません。ここではその「台湾語」に焦点を絞り、気軽に使えるスラングや流行の言い回しなどをコラム形式で紹介します。覚えておくと、台湾人との距離がぐっと縮まるかもしれませんよ。
※中国の「普通話」との区別のため、台湾で使用される中国語を特に「台湾華語」と表記します。

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擴音器 台湾語は北部、中部、南部と各地方、各家庭によって発音が異なることがあります。ここでは、異なる地方出身の台湾語ネーティブの発音を複数収録しました。

阿桑 擴音器

[日本語] お年寄りに対する敬称

[例文]  阿桑、借問一下。(アサン、ジョモンジッレ) 擴音器
[台湾華語]  阿桑,借問一下。(ㄚˋㄙㄤ,ㄐㄧㄝˋㄨㄣˋㄧㄒㄧㄚˋ)
[日本語訳] すみません、ちょっとお聞きします。

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台湾に行くと思ったより日本語の単語が飛び交っていることにびっくりした経験がありませんか?

黑輪(オレン=おでん)、天婦羅(tiān fù luó=天ぷら)、ネクタイ、セビロ……などなど、日本語の発音のままだったり、日本語から借用して新たに台湾的な表現になっていたり、すでに日本で使われない死語だったり、このテーマで何本も論文が書けるぐらい、台湾社会には日本語の単語が充満しているのです。

今回は、日本語から借用した台湾社会にしっかりと根付いている表現を紹介したいと思います。

ご存じ、台湾社会では家族親類について、日本語以上に細かく呼称が決まっています。例えば、母の姉妹は阿姨(ā yí)、父の姉妹は姑姑(gū gu)、母の兄弟の妻は舅媽(jiù mā)、父の兄弟の妻は嬸嬸(shěn shen)、とそれぞれ呼称が違いますが、日本語ではいずれもおばさんですよね。

ところが、親戚以外の年配の女性に対する呼称は、台湾華語にも台湾語にも存在していませんでした。そこで、日本語から「おばさん」を取り入れ、漢字を当て、歐巴桑(オバサン)となったんです。男性のおじさんの場合は歐吉桑(オジサン)、もしくは歐里桑(オリサン)となりました。「~桑」は日本語の「~さん」の当て字です。台湾社会で多用されています。例えば、「媽媽桑」はママさん、「多桑」は父さんなどです。

さらに、台湾では人にニックネームを付ける際に、その人の名前の一文字の前に「阿」を付けて呼ぶ傾向があります。その傾向の延長線で、歐巴桑や歐吉桑の桑の前に阿を付け、「阿桑(アサン)」となります。性別に関係なく、お年寄りに対して使える呼びかけの表現として台湾社会に定着しています。ちなみに、台湾華語も台湾語も「阿桑(アサン)」と発音します。

ところで、お年寄りとはいっても、みんなそれぞれお年寄りに対する定義が違いますので、自分の目にはお年寄りに見えて、安易に、歐巴桑(オバサン)や「阿桑(アサン)」と呼びかけると、相手から(特に女性?)、何を失礼な!?と怒られてしまう可能性があるので、要注意です。

私的には、普遍性のある阿姨(ā yí)のほうをお勧めします。

(2017年6月号掲載)

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