第39回 連続劇の話

年の旧正月休み、連続劇(リエンシュージュー)(ドラマ)のDVDを見ました。
1回1時間、全部で20回だったんですが、実は見はじめたのはかれこれもう一年ほど前のこと。そのあと見ては止めての繰り返しで、なかなか全部見ることができなかったのを、覚悟を決めて残り数回分を一気に見たのです。

ところで、ぼくは普段、連続劇をほとんど見ません。
唯一見るのが公視(ゴンシー)の作る、台湾の文学作品や少し前の中国を舞台にしたもの。これは脚本も役者もしっかりしていて外れがありません(こういうのこそ、日本でも放映したらいいと思います)。

話は少しそれましたが、とにかくぼくは連続劇を見ない。
で、その理由は簡単。見はじめたら見続けなきゃいけないと思ってしまうからです。特に途中まで見ておもしろくなかったとき、普通なら「もうやめた」と放っぽり出すんでしょうが、ぼくの場合、「せっかくここまで見たんだから」ともったいなくなってしまって、そのあと一向におもしろくならなくても止められない。頼むから早く終わってくれと願いながら延々と最後まで見ることになるのです。

いちばん気をつけなきゃいけないのは、毎日ゴールデンタイムにやってる2時間の連続劇です。

毎日2時間。考えただけでも恐ろしいんですが、それでもってこれが何と2年とか続いたりする。こんなのを見はじめた日にはたいへんなことになってしまいます。


湾には連続劇が好きな人がたくさんいます。
ぼくの友達の中にも三度の飯より好きだという人がいて、彼女は日本のものや韓国のものを中心に常に数本同時進行で見ています。
で、「そんなにたくさん、いつ見てるの?」と聞くと、返ってきたのが「休みの日」という答え。
でも休みの日っていったって、そんなにたくさん見られるわけでもないだろうと思って、さらに突っ込むと、
「大丈夫。1日に4回分見れば、土日で8回分見られるでしょ」
「ええっ。1日4回分って……、単純に計算して4時間だよ。4時間の間、何もしないでDVDのドラマを見てるってこと?」
「何もしないで見てるわけじゃないよ。見るときはお菓子とか食べながらだよ」
そういう問題じゃないと思ったんですが、いうのはやめました。彼女の話し方では、4時間見るってことのほうは全然問題じゃなさそうに思えたからです。
でも、ふと思ったんですが、彼女のような人はNHKの朝の連続テレビ小説みたいに1日15分だけを毎日見るってことはできないんじゃないでしょうか。「何、もう終わり?」とか思ったりして(ぼくなんかはこっちのほうが有り難いんだけど)。
まあ、どっちにしたって彼女の場合、ドラマを見るってことについては、気合と体力が、ぼくとは全然違うと実感したのでした。


て、そんな彼女、6日間あった旧正月休みにはどのくらい見たんだろうって気になったので聞いてみました。すると、こんな答えが。
「1本だけだよ」
これにはぼくも意外な感じがしたので、もう少し聞いてみました。
「やっぱり正月だし、友達とか親戚とかにも会わなきゃいけないだろうし、忙しかったから?」
「ううん、その1本が結構長かったから。でも、おもしろかったよ」
彼女のいう1本とは1回分という意味じゃなくて、作品ひとつってことだったようです。で、その1本というのが『真田丸』。しかも、第1回から最終回まで、全部で50回以上を一気に見たとのこと。
やっぱりぼくが考える次元を遥かに超えていました。

(2017年4月号掲載)

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