タグ: 家家

家家(ジアジア)

ますますパワーアップ!
ソウルフルな歌声で聴く者を魅了する


台湾のミュージックシーンでは、多くの“原住民(ユエンジューミン)”出身の歌手が活躍しています。今回ご紹介する家家(ジアジア)もその一人。家家こと紀家盈は、日本にも固定ファンを持つ紀曉君(サミンガ)の妹で、ブヌン族の父とプユマ族の母を持つ歌手です。原住民歌謡の色が強いサミンガとは一線を画し、現代的なポップスやバラードを得意とする家家の、繊細で温かく心の奥に触れるようなソウルフルな歌声は姉に勝るとも劣らず、その歌唱力は誰もが認めるところです。昨年12月にリリースしたサードアルバム『還是想念』は、セカンドに引き続きMayday(五月天)の瑪莎(Masa)が総合プロデュースを担当。シンガーソングライターの韋礼安(ウィリアム・ウェイ)やSuming舒米恩、日本人音楽プロデューサー亀田誠治も参加し、これまで以上に注目度が高い作品。今回のインタビューではニューアルバムの製作や、ブヌン民族の文化について聞きました。


―3年ぶりにニューアルバムをリリースされましたね。

「『還是想念』はたくさんの素晴らしい作曲者、作詞者、プロデューサーがいたからこそ出来上がった作品です。テーマはタイトルの『還是想念』(まだ想っている)そのもので、過去の自分、あるいは恋愛相手、亡き家族など、想う対象は一曲ごとに違います。アルバムの全体的な雰囲気は控えめです。今回は選曲から製作まで、前の2枚より時間的な余裕があったのでじっくり取り組めました。私の一番の役目は歌うことですから、それに専念し、他のことはプロデューサーの瑪莎に託せたので気持ちは楽でした(笑)。選曲からレコーディングをするまで、どんなアルバムになるのだろうとずっとわくわくしていました」

―五月天の瑪莎がアルバムのプロデューサーを務めるのは今回で2度目ですね。

「瑪莎は本当に思いやりがある人です。私が新しい環境や知らないスタッフに慣れないタイプだということを知っているので、なじみの録音技師に依頼するなど安心できる環境を作ってくれました。もちろん歌の感情表現や歌い方については意見が違うこともあり、その時は話し合ってお互い納得がいくやり方を模索しました」

―レコーディングの時、何か印象深いエピソードはありましたか。

「HUSHが作った『還是想念』は録音に2日かかりました。1日目は声もテクニカルな面もよかったのですが、瑪莎は情緒が何かしっくりこないと言ってちょっと納得していなかったんですね。それで、その日の夜にHUSHにレコーディングのことを話したら、HUSHはこの歌を書いたきっかけが、卒業した学校に行ったある時、学校の隅に昔自分が書いた落書きがまだはっきりと残っているのを見つけて、昔の自分がとても懐かしくなったことだと教えてくれました。翌日、その話を気持ちでも感じた上でもう一度歌ってみると全然違う雰囲気になりました。声のコンディションは完璧ではありませんでしたが、最終的にこの日のバージョンが採用されました。些細な感情の機微が含まれているので、この点をぜひ聞いてもらいたいです」

―「看透」は歌い方がとてもパワフルでテンポも重くとても印象的な曲ですね。

「この曲はアルバムの中で浮いていますよね。このような曲は私にとっても初めてです。作詞作曲とプロデューサーを手掛けた韋禮安(ウィリアム・ウェイ)は、本当に才能のある人だと思います。彼はとても親しみやすい人なので、初めて一緒に仕事をしてもストレスを感じなかったのですが、この曲に対してはいろいろな表現を求められました。時に甘い声で、時に皮肉な表現で、恋愛感情で傷つき、ヒステリーで狂っている感じの女性を演じるようにと。会ったばかりの人にそういう一面をさらすことはちょっと怖くて自信がなかったのですが、彼が『私なら絶対できる』と確信していて、新しいものを引き出してくれました。この曲は本当に疲れました(笑)」

急逝した母と故郷にささげる歌


―ほかに特に思い入れがある歌はありますか。

「『家家歌』は私の故郷と亡くなった母にささげたい歌です。MVの撮影は故郷の南王部落(台東)の『年祭』を撮りました。曲はアミ族の古いメロディーを取り入れたので、民族の文化へのリスペクトを含め、アミ族の歌手の以莉•高露と舒米恩(スミン)に歌のリードを依頼しました。スミンは中国語の歌詞も書いてくれました。音楽人の友達みんなが私をサポートしてくれたことに本当に感謝しています」

―歌手として一番影響受けたのは何ですか。紀曉君(サミンガ)さんをはじめ、ご家族には音楽関係者が多いですよね。

「家族の影響は大きいですね。姉が歌手ですから、若いころは姉のライブなどで、よくバックコーラスを担当しました。ですから私はコーラス、ハーモニーが得意です(笑)。家族はたくさん音楽の栄養をくれましたね。でもずっと姉の後ろに立っていたので、自分がデビューした時はちょっと自信がなかったですね。でもだんだん慣れてきて、自分独自の魅力があると自信が付きました。歌い方なら、昔から洋楽が好きで、マライア・キャリーやホイットニー・ヒューストンの歌をよく聞いていたので、デビューして間もないころは彼女たちをモデルに練習しました」

―ブヌン族の『年祭』のことを詳しく教えてください。

「故郷の南王部落は毎年『年祭』があります。元々は、昔冬の間に食べ物がなくならないよう、年末の12月28日ぐらいになると部落の男たちは山に狩猟に行っていました。そして1年の最後の日12月31日の朝、他のみんなは集会所に集まって踊って彼らを出迎えるのです。『家家歌』のMVは今シーズンの年祭です。夜になると未婚の男子は伝統的な衣装を着て、すべての家を回って新年を祝い、1日めくりカレンダーをめくります。昔は結婚適齢期の男女が知り合う機会でもありました。また1月1日の朝には、部落の年長者が前の年に喪に服した家庭を訪ね、『去年の悪いことはもうすべて過ぎ去った』と“除喪”(悪いこと、悲しいことを取り除く)の儀式を行います。以前は年越しライブで行けないことも多かったのですが、昨年は母が亡くなったこともあり、久しぶりに年祭に参加しました」


Profile
原住民歌手・紀曉君(サミンガ)を姉に、陳建年をおじに持つ音楽一族出身。ソウルフルな歌声に定評があり、2006年に男女デュオ・昊恩家家として歌手デビュー。2011年Mayday(五月天)の3D映画『五月天3DNA追夢』やMaydayのライブ「五月天諾亞方舟」にゲスト出演し話題を呼んだ。2012年アルバム『忘不記』でソロデビューを果たす。同アルバムに収録された大ヒットしたドラマ『蘭陵王』の挿入歌「命運」は中国でも注目を集めた。セカンドアルバムは『為你的寂寞唱歌』(13年)、最新作は『為你的寂寞唱歌』(16年)。

FACEBOOK


(2017年3月号掲載)

もどる

2017年3月号 読者プレゼント

応募方法がより簡単になりました!

下記のQRコードにアクセスし、指定のアンケートにお答えくださった読者の方の中から、抽選で以下のプレゼントが当たります!

https://goo.gl/forms/XNN4iXpVUsXbiabz2

<アンケート項目>
1. 性別、年代、ご希望のプレゼント
2. 台湾で見つけた変な日本語、不思議なモノ(写真込)
3. 台湾でびっくりしたこと、または失敗談
4. 今号で面白かった記事、感想
5. その他ご要望、ご意見(任意)

そのほか「naruhodo@taiwandigest.com.tw」でも引き続きご応募受け付けます。
編集部一同、皆さまのご意見を心よりお待ちしております。
締切 4月2日

A. 家家の直筆サイン入りチェキ 2名様

%e5%ae%b6%e5%ae%b61

B. 不二堂 茶所在(特集P.15)のティーバッグ 1名様
特集で紹介した不二堂 茶所在(P.15)のティーバッグ、翠玉茶×2個。

%e4%b8%8d%e4%ba%8c%e5%a0%82%e8%8c%b6%e5%8c%85

C. CD『HIDEO FUKUOKA』福岡英朗 1名様

漢字と故宮に魅せられたパブロック・ミュージシャン、福岡英朗のソロアルバム。作詞、作曲、編曲から、ボーカル、ギター、リズムボックスまでほぼ福岡一人が担当していながら、非常に多彩な音楽性に富んだ一枚。全7曲収録。「Little Jane」(本アルバム収録)、「台湾ベイビー」はiTunesで発売中。(発売元:BeatBetRecords/定価:1,080円 )

20170220155545_00001